資産運用を始める際に、今までは銀行や証券会社の窓口で相談する方が多かったように思いますが、最近ではネット証券の普及から自分で調べて自分で運用する方も大変多くなっているように感じます。
書籍やYoutubeでも様々な情報を得ることができますし、手数料率が低いファンドの登場など、ここ5年~10年で一般家庭においても投資しやすい環境が整ってきました。今回はそんな環境の中、IFAを活用する経営者が増えてきている理由を解説します。
このような方へ
・資産形成を考えている経営者様
・同族企業経営者で事業承継等の対策が必要な方
◆IFAとはどのような存在か?
IFA(Independent Financial Advisor)とは、独立系ファイナンシャルアドバイザーの略で、資産運用に関するアドバイスを行う専門家です。金融機関に所属せず、顧客の立場に立った中立的な視点から、株式や債券、投資信託などの金融商品の説明や証券会社と顧客との取引を仲介する仕事を行います。
商品を営業することが目的ではなく、資産形成に伴走することが目的と言う点が一般的な証券会社と大きく違います。
理由1:IFA口座でしか購入できない商品がある |
理由2:時間の節約 |
理由3:会社・個人・事業承継までを見据えた戦略策定 |
理由4:リスク管理 |
理由5:金融商品以外のトータルサポート |
理由1:ネット口座では購入できない商品がある
楽天証券では一般的なネット口座とIFA口座、2種類の口座がありますが、IFA口座でしか取り扱いのない商品があります。
そのほとんどが大口向けのため、一般家庭には適しておらず、経営者や法人での運用で力を発揮します。例えば最低購入額面10万米ドル以上の社債などがあります。
もちろん大手証券会社でも購入することができますが、楽天証券のIFAの場合、その他の商品についてもネット口座と同水準の事業者もいますから、
・投資信託、国内株式の購入手数料→無料 ・為替手数料→無料 ・ネット口座では買えない大口向け商品を組み込んだ運用 |
このような投資環境もIFAとの交渉次第で作れますので、より効率的に資産形成が可能になります。
理由2:時間の節約
富裕層、特に経営者の時間価値は会社が生み出す利益に直結する分、とても高いですよね。
その価値は人によりますが、1時間あたり数万円から数十万円になるのではないでしょうか。
つまり経営者にとって経済的に最も価値のある時間の使い方は本業だと私たちは考えています。
そのような状態の中、経営者自身が投資方針やアセットアロケーション、ポートフォリオ組成、リスク管理など考え計画的に資産形成していくことは、学習コストも含め、時間価値を考えるともったいない、割に合っていないと思います。
企業の税務を税理士へ外注するように、経理や財務は社長がやらずに経理に任せるように、資産運用についても役割分担することが良いのかなと思います。
忙しい経営者、儲かっている会社ほどIFAを活用しましょう!
理由3:会社・個人・事業承継までを見据えた戦略策定
一般的な家庭の資産形成における、老後資金や教育資金のような目的以外に、経営者の場合それが会社や事業承継が絡むため本当に複雑になります。
◆会社
・本業のキャッシュフローや事業計画に基づく財務戦略、資金調達
・社会情勢の変化、インフレに耐えれるような資産構成
上記を加味し、余剰資金を不動産や金融商品で運用することにより資金を無駄なく運用することができ、資産形成が出来てくると安全性の高い財務となり、本業での意思決定の幅も確実に広がります。
またひと昔前までは経営者や従業員の退職金の積み立ては保険を活用している会社が多かったですが、税制改正により保険の損金性が見直されたこと、インフレにより円建て保険の利回りでは資産形成しにくいことを考えると、金融商品を活用せずにはいられない環境となってきました。
◆経営者個人
同族企業の場合、会社への資金の最後の貸し手は経営者となりますから、一般的な家庭における老後資金などに加えて、いざという時に会社へ貸せるよう資産形成しておく必要があります。
企業経営は当然良い時も悪い時もありますから、業績が良い時にこそ慎重になり資産形成を加速させ、不景気が来たときに会社が倒産しないよう準備しておきましょう。
◆事業承継
日本における事業承継は、相続税率の高さから非常に難易度が高いと言われています。
そのため、いかに経営者が若い時から次世代に資産を移していけるかが非常に重要ですが、
・何をどんな形で、いくらずつ移せばいいのか
・資産管理会社や信託は使わなくていいのか
・次世代に贈与した資金をどのように運用すればいいのか
・次の社長を子供が継いでくれるか未定だが資産を贈与すべきか
等々、考えないといけないことが多岐にわたるため、専門家を活用し計画を練りましょう。IFAの中には本業が税理士、という方もいらっしゃいますので、会社の税務とは別に、事業承継や資産税に特化した税理士兼IFAを活用するのも有効です。
理由4:リスク管理
資産運用は投資しただけでは完了しません。
相場や自身、会社の状況をモニタリングしながら、必要に応じてポートフォリオの変更、リバランスが必要になってきます。
特に資金が大きくなる会社や経営者では必須となります。
定期的に専門アドバイザーに分析をしてもらいアドバイスもらうことはポートフォリオのリターン向上だけではなく、相場が大きく動いた際の心理的安全性に繋がります。
資産運用最大の敵は市場の動きから作られる欲と恐怖だと私たちは考えていますが、それらを乗り越えるために伴走者が必要だと思います。
理由5:金融商品以外のトータルサポート
証券の販売のみを目的としている証券会社と違い、IFAは伴走を目的としていることから、様々な専門家と協力し独自のサポート体制を構築している事業者も多く、金融商品以外にも、
・会計、税金
・不動産
・保険
・信託
・M&A
・事業承継
等々、様々なことを相談できる点に強みがあります。
本業が税理士、保険代理店、のようにそもそもアドバイザーとして活躍しながらIFAサービスも提供している、という事業者も多くいます。
経営者の悩み相談先として多いのが税理士ですが、会計処理や税務申告で忙しく期限に追われている税理士にすべての解決策を求めることは現実的に困難ですので、税理士以外の相談先としてIFAを是非活用してください。